【前回の記事を読む】「お父さん、すごいやん。」おばあちゃんから聞いた父の姿五困るくらいのお調子者で、大酒飲みの父を持ち、勉強好きで、おばあちゃんっ子の私は、人の感情に敏感に育った。どちらかと言うと、悲しみや寂しさ、辛さといった、目を背けたくなる負の感情を強く感じ取っていた。私は小学四年生になっていた。家の庭に濃いピンク色の寒椿が咲いた。学校の課外授業で押し花を習ったので、早速この花で作って、お母…
[連載]南風が吹く場所で
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小説『南風が吹く場所で』【第8回】愛澤 みずき
物置部屋で見つけた一冊の手帳。目にした少女が号泣したワケ
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小説『南風が吹く場所で』【第7回】愛澤 みずき
「お父さん、すごいやん。」おばあちゃんから聞いた父の姿
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小説『南風が吹く場所で』【第6回】愛澤 みずき
大のおばあちゃんっ子だった私がたくさんの賞状を取れたワケ
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小説『南風が吹く場所で』【第5回】愛澤 みずき
「勉強なんかせんでええ」と言う父が成績優秀な娘を生んだワケ
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小説『南風が吹く場所で』【第4回】愛澤 みずき
朝から晩まで酒を飲む父の「一生で一回の親孝行」とは
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小説『南風が吹く場所で』【第3回】愛澤 みずき
「お父さんがなんかへん!」ふらふらと単車で帰ってきた父は…
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小説『南風が吹く場所で』【第2回】愛澤 みずき
お調子者の少女が顔面蒼白…「黒塗りの車に文旦をぶつけた」
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小説『南風が吹く場所で』【新連載】愛澤 みずき
人口一万人の小さな町で「みかんはいつも私のすぐ側にあった」