午後になるとエノモトさんが来店した。「ケンさん、久しぶり!」「お久しぶりです。今日は会社ですか?」「ずっとテレワークだったけど今週から会社に戻ったの。それより、お店、自粛期間大変だったでしょう?」「はい。でも、お陰様で何とか続けられましたよ」「いま本当に個人事業主は大変だから心配したよ。ケンさんのお店大丈夫かなって」こんなに自分の店の経営まで心配してくれる人がいるなんて、その気持ちが胸にしみた。…
[連載]絆の海
-
小説『絆の海』【最終回】吉村 真理
【小説】会えなくても、人と人の絆が確かにつながっていた。
-
小説『絆の海』【第9回】吉村 真理
【小説】緊急事態宣言解除、久しぶりの客足に嬉しい悲鳴
-
小説『絆の海』【第8回】吉村 真理
残高が減り続けていく…焦る男性が、急に歓喜の声を上げたワケ
-
小説『絆の海』【第7回】吉村 真理
【小説】コロナの猛威が広まる時、美容師の男が想った相手は…
-
小説『絆の海』【第6回】吉村 真理
コロナに負けじと働く美容師…ハサミ職人の真心に支えられて
-
小説『絆の海』【第5回】吉村 真理
「力が入らない…」違和感を覚えた美容師、病院に行ってみたら
-
小説『絆の海』【第4回】吉村 真理
交通事故に遭った美容師…「救急車への乗車拒否」の真相
-
小説『絆の海』【第3回】吉村 真理
東北の被災地で「美容院のボランティア」…男性が呟いた一言
-
小説『絆の海』【第2回】吉村 真理
28歳で美容院の店長に…初めてのお客さんの忘れられない一言
-
小説『絆の海』【新連載】吉村 真理
【小説】急変する日常、小さな美容院のオーナー懊悩する…