寒いけれど日脚が伸びてきた。たくさんクロッキーがあったが置いといて、『二人のヨセフ』に取り掛かった。義父と重信さんをモデルに、顔の見えない女性は淳さんの養母葵さん、揺籃の幼子が淳さんという趣向だった。聖書の物語のヨセフを二人にして、養父と汚れなき母の愛情という平面に二人の深い人間性を映したかった。失敗するかもしれない。二人がスマホで耿介に逢うたびに俺も二人を捉えようと耳目を欹(そばだ)てた。太洋…
[連載]フィレンツェの指輪
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小説『フィレンツェの指輪』【第34回】今村 五月
【小説】『二人のヨセフ』新居で描くのは深い人間性
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小説『フィレンツェの指輪』【第33回】今村 五月
【小説】新たな命。「数え切れない初めてがこれから続くんだ」
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小説『フィレンツェの指輪』【第32回】今村 五月
【小説】「お前、とうとうこの世に生まれちゃったんだ」
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小説『フィレンツェの指輪』【第31回】今村 五月
【小説】「足りないものだらけ、至らぬことだらけ。だけど…」
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小説『フィレンツェの指輪』【第30回】今村 五月
【小説】妊娠中の妻と帰省。「俺たちはほんの小さな家族だ」
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小説『フィレンツェの指輪』【第29回】今村 五月
【小説】「辛党なのか?甘党なのか?」お腹に向かって聴く。
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小説『フィレンツェの指輪』【第28回】今村 五月
【小説】出産を控えた妻のため「いいものを…」夫が決めた覚悟
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小説『フィレンツェの指輪』【第27回】今村 五月
【小説】娘婿から義父への通達「…淳さん…妊娠したんです…」
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小説『フィレンツェの指輪』【第26回】今村 五月
「出頭してきた容疑者の尋問みたいだ。逃げ出したいだろ。」
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小説『フィレンツェの指輪』【第25回】今村 五月
「死に損なって」再会した2人…夜のベッドで交わす秘密の会話
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小説『フィレンツェの指輪』【第24回】今村 五月
「もう君は人妻なんだ」…再会と抱擁と甘い果実酒
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小説『フィレンツェの指輪』【第23回】今村 五月
「娘が地球の裏側の風土病で死ぬなんて…」切迫した両親の願い
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小説『フィレンツェの指輪』【第22回】今村 五月
【小説】「僕はあなたばっかり描いていられれば本望だ」
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小説『フィレンツェの指輪』【第21回】今村 五月
「兄ちゃん、絵、続けろよな」弟の後押しと営業
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小説『フィレンツェの指輪』【第20回】今村 五月
「死ぬまで二人だけでいよう」淳さんの本音と二人の誓い
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小説『フィレンツェの指輪』【第19回】今村 五月
「お前を描きたい。恰好つけようなんて思ってもらいたくない」
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小説『フィレンツェの指輪』【第18回】今村 五月
俺の子は、俺よりいい父親のもと、俺を一生知ることはない。
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小説『フィレンツェの指輪』【第17回】今村 五月
【小説】互いに言えない過去を抱え…淳と八汐、それぞれの想い
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小説『フィレンツェの指輪』【第16回】今村 五月
「どうか電話を。番号も書いておく。一日三秋にて待つ。」
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小説『フィレンツェの指輪』【第15回】今村 五月
【小説】「話は明日にしよう?ベッドに入ろう?」「僕を視て」
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