安らかな死体が弱ってくるのにつれて、興奮状態になることが、だんだん少なくなってくるようだった。母のこともフランシスコから聞いた。自分が麻薬ギャングの手下になった後に、母が連れ去られて今も行方が分からないという。「俺は、母さんを傷つけ苦しめた。連れていかれないように助けてやることもできなかった。母さん、もし生きていたら、俺を許してくれますか」母のことを考えるたびに、カルロスは優しい心を取り戻してい…
[連載]ヘロイーナの物語
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小説『ヘロイーナの物語』【最終回】中島 慶子
カルロスが死の間際に気付いた衝撃の事実「ヘロイーナは…」
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小説『ヘロイーナの物語』【第19回】中島 慶子
「エリート麻薬探知犬、誘拐される!」犯人グループの要求は…
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小説『ヘロイーナの物語』【第18回】中島 慶子
教えていない臭いなのに…!麻薬探知犬としてのずば抜けた力
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小説『ヘロイーナの物語』【第17回】中島 慶子
正式な麻薬探知犬になるため…「試験を受けさせてください」
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小説『ヘロイーナの物語』【第16回】中島 慶子
【小説】なにげないボール遊びから見えた、ヘロイーナの素質
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小説『ヘロイーナの物語』【第15回】中島 慶子
【小説】地下室から五匹の子犬…おなかの中から衝撃の物が!
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小説『ヘロイーナの物語』【第14回】中島 慶子
【小説】扉の先に、フォークが何本も頭に突き刺さった男がいた
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小説『ヘロイーナの物語』【第13回】中島 慶子
【小説】一度だけで…カルロスは「コカイン」のとりこになった
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小説『ヘロイーナの物語』【第12回】中島 慶子
【小説】部屋に鍵を3個も「ごちそう」が少年の人生を狂わせた
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小説『ヘロイーナの物語』【第11回】中島 慶子
【小説】すべては金のため。子犬の体内に麻薬を忍び込ませ…
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小説『ヘロイーナの物語』【第10回】中島 慶子
【小説】俺が嬉しいときは、コカインを吸えると思うときだけだ
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小説『ヘロイーナの物語』【第9回】中島 慶子
【小説】首都の裏町、不潔なビルには犬を集める奇妙な男がいた
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小説『ヘロイーナの物語』【第8回】中島 慶子
【小説】闇の中から現れた男たちを助けたら、牧場を失った
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小説『ヘロイーナの物語』【第7回】中島 慶子
【小説】息子の失踪、愛犬の死…どん底の日々にも希望はあった
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小説『ヘロイーナの物語』【第6回】中島 慶子
【小説】ナイフの矛先を母に向けたのは、再会した息子だった
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小説『ヘロイーナの物語』【第5回】中島 慶子
【小説】命を差し出してまでも、僕は父さんとの約束を果たす
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小説『ヘロイーナの物語』【第4回】中島 慶子
【小説】平和なコーヒー農園に突然、一発の銃声が鳴り響き…
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小説『ヘロイーナの物語』【第3回】中島 慶子
【小説】コーヒー農園を営む一家に忍び寄る、恐ろしい魔の手
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小説『ヘロイーナの物語』【第2回】中島 慶子
【小説】毒蛇にかまれた愛犬を救うため、少年は必死に走った。
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小説『ヘロイーナの物語』【新連載】中島 慶子
暴力事件に麻薬ギャング。政情不安な国に生まれた子犬は…