王朝時代の山吹は一重かなと思うのですが、八重山吹と出てきます源氏物語の女性たちの多くは、いろいろな花や木によそえられています。山吹という明るく華やかな花によそえられているのは玉鬘という女性です。女君たちに衣裳を贈る時、源氏は玉鬘には「山吹の花の細長」(表は赤みがかった黄色、裏は明るい黄色の着物)を選んだとあります。華やかな色合いの着物です。六条院に引き取られて、源氏の庇護を受けていた玉鬘は、思い…
[連載]源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む
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評論『源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む』【第7回】岸本 久美子
『源氏物語』の女性たち…玉鬘を野暮な男に奪い去られ、独り言
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評論『源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む』【第6回】岸本 久美子
雅な桜と碁盤を囲む姉妹、勝負の行方は…
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評論『源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む』【第5回】岸本 久美子
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評論『源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む』【第4回】岸本 久美子
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評論『源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む』【第3回】岸本 久美子
姫君も食べた土筆…源氏物語に漂う「春の香り」を詠み解く
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評論『源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む』【第2回】岸本 久美子
梅の香に心揺らぐ…「源氏物語」と「梅花」の悲しい関係
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評論『源氏物語花筐―紫式部の歳時記を編む』【新連載】岸本 久美子
中年になった今…「源氏物語」が私に語りかけてくるもの