「おじいさま、おばあさま」「なんだい、お幸」「……縁談のことなんですが」藤七郎が藤吉ではないかと疑いを持つようになってから数日経ったある日のこと。お幸は二人に話があると言って三人で話す場を設けた。内容は縁談のこと。もしや、と与七とお吉は目を見合わせた。「縁談がどうしたんだい」あくまでも落ち着き、素知らぬふりをしてお幸へと問い掛ける。お幸は目を伏せたまま、話し出した。「――私、藤七郎さんと夫婦め…
[連載]水蜜桃の花雫
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小説『水蜜桃の花雫』【最終回】結城 綺霞
お幸だって、はじめは駆け落ちなんかするつもりはなかった
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小説『水蜜桃の花雫』【第10回】結城 綺霞
「この花が、ぴったりな気がして」お祭りで藤七郎は...
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小説『水蜜桃の花雫』【第9回】結城 綺霞
「メリーバッドエンド」作品のテーマを決めた吉川は…
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小説『水蜜桃の花雫』【第8回】結城 綺霞
「お前の本をドラマか映画にしたい」由津木の提案に吉川は…
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小説『水蜜桃の花雫』【第7回】結城 綺霞
作家人生20年、ついにドラマ化の話が来たものの…どうする?
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小説『水蜜桃の花雫』【第6回】結城 綺霞
お菊にとってお幸の存在は、心地よかったし有り難かった。
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小説『水蜜桃の花雫』【第5回】結城 綺霞
俗信や迷信はたくさんの人生を狂わせてきた
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小説『水蜜桃の花雫』【第4回】結城 綺霞
家に着くと、私は本を開いた。「…なかなか難しい内容だな」
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小説『水蜜桃の花雫』【第3回】結城 綺霞
【小説】友人はとある一冊の本を棚から取り出した
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小説『水蜜桃の花雫』【第2回】結城 綺霞
【小説】久方ぶりに友人を訪ねようと、重い腰をあげて家を出た
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小説『水蜜桃の花雫』【新連載】結城 綺霞
【小説】どの文芸雑誌にも名を連ねるほどだったのに、今は見る影もない