【前回の記事を読む】着物の袖口から垣間見える二の腕がなまめかしく、それを見たいが為に、タバコの使いっ走りを買って出ていた。色白で悩ましい仕草が…ただ、昔の市議会のあほうな決議で、市電は廃線と成り、現在は残念ながら京都市内には冴えないバスと地下鉄が取って代わり、市電は走っていない。市電が走っていた当時、京阪電車の上りが終点の三条まで地上を疏水と並行して走り、桜の開花の時期は、東福寺を過ぎると七条の…
[連載]仙一
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小説『仙一』【第6回】古川 晋次
「それなんぼや、わしが買うわ」…自分も欲しかったけど、先輩に先を越された。いつも先輩に譲る様にしている。諦めに似た感情で…
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小説『仙一』【第5回】古川 晋次
着物の袖口から垣間見える二の腕がなまめかしく、それを見たいが為に、タバコの使いっ走りを買って出ていた。色白で悩ましい仕草が…
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小説『仙一』【第4回】古川 晋次
以前からタバコ屋のおばさんが好きだった。ただ、それは肌を重ねたいだけの性的な対象であり、恋愛したい理想の女性のイメージは…
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小説『仙一』【第3回】古川 晋次
使いっ走りを口実に、タバコ屋を営むタエさんに会いに行っていたが、彼女が気になっているのはハンサムな自分の後輩だと知り…
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小説『仙一』【第2回】古川 晋次
ロシアの血をひく仙一。齢18にして家長となり、父の居ない家を取り仕切り、弟や妹に愛情を注いだ。
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小説『仙一』【新連載】古川 晋次
家族と離れての辛い長い下働きで、先が見えない今の仙一だった。