【前回の記事を読む】毒薬を口にし自決した妻――亡骸を抱いて呆然としていると自分が殺めたと誤解され…生命の神秘である。ハレー彗星は76年の長旅を終え、再度地球に接近し、新たな生命の種を地上にまいた。そこで新たな地上で、新たな甲虫となって飛翔する段になっても、スズキ青年には過去の自我があった。自分の意思で飛翔できない蝶ではなく、逆風に突き進むコガネムシとして転生した。スズキ青年であるコガネムシは、金…
[連載]箱船へいらっしゃい
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小説『箱船へいらっしゃい』【第10回】葛西 雄一郎
手元には、金色のコガネムシの死骸が残されていた――青年は、コガネムシに転生する夢をみた。しかし、目が覚めると…
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小説『箱船へいらっしゃい』【第9回】葛西 雄一郎
毒薬を口にし自決した妻――亡骸を抱いて呆然としていると自分が殺めたと誤解され…
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小説『箱船へいらっしゃい』【第8回】葛西 雄一郎
人生の行き詰まりから霧の中を抜けて見えてきたのは粗末な門。そこへ老人が現れ、「ここは君がきていい場所ではないぞ」
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小説『箱船へいらっしゃい』【第7回】葛西 雄一郎
墓荒らしの最中、棺についた紙を剥がして確認すると、それは呪文の描かれたお札であった。その様子をみられてしまい...
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小説『箱船へいらっしゃい』【第6回】葛西 雄一郎
赤い光がチラ、と目についた。あれはひょっとして…一攫千金を求めてスズキ青年がとった行動とは
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小説『箱船へいらっしゃい』【第5回】葛西 雄一郎
畑へ忍び込んで作物を荒らしていたのは大豆のような虫――のはずが…
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小説『箱船へいらっしゃい』【第4回】葛西 雄一郎
「この人、本当に死んでいる!」名誉の殉職だ。彼の死体はパイプいすに座った形でロープに縛られ、観衆の見える場所に飾られた。
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小説『箱船へいらっしゃい』【第3回】葛西 雄一郎
自殺者の水死体を見た。そのあと僕らは市民プールに行って、水死体ごっこを始めた。
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小説『箱船へいらっしゃい』【第2回】葛西 雄一郎
テレビを消したいだけなのに......放送内容へのクレームをこぼした青年は、「権力」にマークされニュース番組で報道されるハメに。
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小説『箱船へいらっしゃい』【新連載】葛西 雄一郎
友人派遣所から派遣された友人と見ているテレビはくだらないプロパガンダを流す。スズキ青年は音量を下げようとするが...