【前回の記事を読む】トカゲは人のふりをするのがうまい。父はそんなトカゲだったかもしれないと答えを出した。俺の頭の中に、河童が再び姿を現した。「河童! かかったか!」「すみません。不自然にキュウリが置いてあったので、気になってしまって」倒れたザルとつっかい棒を直しながら、メガネをかけた真面目そうな少年がそう言った。「こら! 俺の罠にかかるな少年!」罠にかかったのが、河童ではなく少年だったことに憤り…
[連載]寂しがり屋の森
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小説『寂しがり屋の森』【第6回】村松 凪
小さな手の影は、俺をからかうようにペタリ、ペタリと現れては消えた。――日暮れの廃屋にいたのは、河童ではなく男の子だった
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小説『寂しがり屋の森』【第5回】村松 凪
トカゲは人のふりをするのがうまい。父はそんなトカゲだったかもしれないと答えを出した。
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小説『寂しがり屋の森』【第4回】村松 凪
「お父さんは女の人と一緒に暮らしているようだけど」父の職場の女性からそう伝えられ、突然頭を殴られたような気持ちになり…
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小説『寂しがり屋の森』【第3回】村松 凪
ある年の暮れ、よそに居場所を作っていた父がこの家にいなかったことなんてなかったかのように「ただいま」と帰ってきた
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小説『寂しがり屋の森』【第2回】村松 凪
夏の間美術館に飾られた鈴木君の絵を見て、私は彼がしたかったことに気づいた…
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小説『寂しがり屋の森』【新連載】村松 凪
透明な顔、それが鈴木君のありのままの顔だった... だれもが、やりたくてやってることばかりじゃない