【前回の記事を読む】母の晩年の趣味は、草花を育てること、育てた草花の写真を撮ること、俳句を作ることだった百日紅の木の前で白い開衿シャツを着て、微笑んでいる痩せた父の写真(多分私の撮影)が母のお気に入りで、ずっと仏壇に飾ってあった。母は八十歳の時から毎年一月一日に十年間俳句集を出してきた。もちろんそれ以前から俳句は作っていたが、母から「傘寿記念に何か形になるものを残したい」と申し出があった。長い準…
[連載]大波小波
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エッセイ『大波小波』【第9回】柊 ゆう
「恋に落ちた」のは16歳年上の妻子持ち男性。猛反対の家族と縁を切るように2人きりの生活が始まったが…
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エッセイ『大波小波』【第8回】柊 ゆう
母の晩年の趣味は、草花を育てること、育てた草花の写真を撮ること、俳句を作ることだった
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エッセイ『大波小波』【第7回】柊 ゆう
母から届いた封書…開封すると中身は空だった。――母からの手紙は生前それが最後となった。そこには何も入っていなかったけれど…
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エッセイ『大波小波』【第6回】柊 ゆう
人生で今でも心に残っている三通の手紙。父の期待に応えようと決意する私だったが…東京で待ち構えていた現実とは
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エッセイ『大波小波』【第5回】柊 ゆう
今のようにスマートな生理用品はなかった。黒い大きなパンツを履かされ、広い大きな脱脂綿を適当にちぎり重ねて使用していた
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エッセイ『大波小波』【第4回】柊 ゆう
違和感を感じてトイレへ。「えっ、私大変な病気かもしれない」と青ざめ、家族全員の前で「血が出たの」と大きな声で告げた
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エッセイ『大波小波』【第3回】柊 ゆう
「積極性がないのが残念です」―今の時代なら、一種の発達障害として特別の支援が必要な子と見なされていたかもしれない。
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エッセイ『大波小波』【第2回】柊 ゆう
夫と私の二人音楽会からアンサンブルへ。地域でボランティア活動をして九年目に夫が亡くなり再出発するもコロナ禍に巻き込まれ…
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エッセイ『大波小波』【新連載】柊 ゆう
六十歳、定年退職後に出会ったクラリネット。「初心者用セット」を注文していざ挑戦!