【前回の記事を読む】父の遺品を整理していると現金書留の領収書の束が...。宛先を聞くと、母は複雑な表情を浮かべ言葉を続けた。「結婚当初は、父さんが給料をいくら貰ってたかも知らなんだ」「最後に少し金が残ったんで、貰っとこうかと迷ったんやけど、できなんでね。それで次の生活費を貰う時に残ったお金を小銭まで返したんよ」それが三月ほど続くと、父は自らのことを少しずつ母に話すようになったのである。「私が残り…
[連載]猫の雨傘と僕のいる場所
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第11回】倉澤 兎
義姉からの手紙には、「名前は『高』と書いて、貴方と同じ『たかし』と読みます。終戦直前の『東京大空襲』で亡くなりました」
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第10回】倉澤 兎
父の遺品を整理していると現金書留の領収書の束が...。宛先を聞くと、母は複雑な表情を浮かべ言葉を続けた。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第9回】倉澤 兎
父が過ごした部屋の片づけが進まない母「整理しようとすると、ついアルバムを開いちゃって。お父さんの写真を見ると…」
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第8回】倉澤 兎
語られる両親の過去――父との離婚を考え逃げ出した母、バスの行き先は名古屋だった…
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第7回】倉澤 兎
親の勧めでお見合いをして、一週間後に結婚したという両親。突然逝ってしまった父の遺影を前に、母は父との思い出を語ってくれた
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第6回】倉澤 兎
近江八万駅から50分。ディーゼル車を走らせると、穏やかな堤をもったロックフィルダムが目に入ってきた。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第5回】倉澤 兎
職場での最初の歓迎会。気になる彼女と互いに共感できる部分が数多くあることを知ることになった。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第4回】倉澤 兎
新人の郵便局員、夏祭りのカラオケ大会に郵便局の代表として出場することに……
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第3回】倉澤 兎
郵便局に再就職してから一週間、笑いをこらえ頭を下げることが一日のスタートになっていた....
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第2回】倉澤 兎
職場の人間関係(特に女性)に疲れ、四年ほど勤めた会社に辞表を提出した
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【新連載】倉澤 兎
ショートカットの女子学生の「耳」にハッ! そして唐突にENDロールが流れ…