ようやく司会の久保局長代理の音頭で宴席が始まった。殆(ほとん)どの宴会では最初にビールのグラスを掲げて乾杯をする。そのあと若手社員は瓶ビールを片手に、上司や先輩を廻るのが宴席での流れであろう。この日も麒麟の絵柄のビールの大瓶が、テーブルの料理の合間に隙間なく並べられていた。個人的には、「黒いラベルに星のマーク」が好みであったが、取り敢えず自らの挨拶と打ち合わせが済んだ。頃合いを見計らい麒麟の瓶を…
[連載]猫の雨傘と僕のいる場所
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第5回】倉澤 兎
職場での最初の歓迎会。気になる彼女と互いに共感できる部分が数多くあることを知ることになった。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第4回】倉澤 兎
新人の郵便局員、夏祭りのカラオケ大会に郵便局の代表として出場することに……
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第3回】倉澤 兎
郵便局に再就職してから一週間、笑いをこらえ頭を下げることが一日のスタートになっていた....
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第2回】倉澤 兎
職場の人間関係(特に女性)に疲れ、四年ほど勤めた会社に辞表を提出した
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【新連載】倉澤 兎
ショートカットの女子学生の「耳」にハッ! そして唐突にENDロールが流れ…