今にして思うと、当時の日本人の大多数がそうであったように、父とロックフィルダムと、そして日本の再生は一体であったのだ。それは父にとって必然であり、重なり合い繋がっていた。あるいは離れながらも引き合うといった、時代の要請という磁力を帯びていたのかも知れない。その特別な遺伝子を組み込まれた人たちが、時代の要請という車両に乗り、一本のレールの上をひたすら走ってきたのだ。意識する、しないに拘わらず。少な…
[連載]猫の雨傘と僕のいる場所
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第7回】倉澤 兎
親の勧めでお見合いをして、一週間後に結婚したという両親。突然逝ってしまった父の遺影を前に、母は父との思い出を語ってくれた
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第6回】倉澤 兎
近江八万駅から50分。ディーゼル車を走らせると、穏やかな堤をもったロックフィルダムが目に入ってきた。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第5回】倉澤 兎
職場での最初の歓迎会。気になる彼女と互いに共感できる部分が数多くあることを知ることになった。
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第4回】倉澤 兎
新人の郵便局員、夏祭りのカラオケ大会に郵便局の代表として出場することに……
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第3回】倉澤 兎
郵便局に再就職してから一週間、笑いをこらえ頭を下げることが一日のスタートになっていた....
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【第2回】倉澤 兎
職場の人間関係(特に女性)に疲れ、四年ほど勤めた会社に辞表を提出した
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小説『猫の雨傘と僕のいる場所』【新連載】倉澤 兎
ショートカットの女子学生の「耳」にハッ! そして唐突にENDロールが流れ…