俳句・短歌 句集 2022.05.26 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第65回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 正月の甲州盆地うごきだす 月明の堰をあらはに野焼あと 砂の上に引きたる波紋牡丹の芽
エッセイ 『治すより、付き合う』 【第2回】 弓庭 柔悟 「腎臓の組織を少し取ります」背中にチクッと針がさされ麻酔が打たれたと思ったら、「バチン」と銃みたいな音が… 【前回の記事を読む】むくみ、体重増加、尿量減少――気のせいかと思ったが、母に言われるまま病院へ行くと医師の口から…スマホで「急性腎不全」を検索する。やってはいけない行為ランキング第1位を、入院初日に達成した。怖い言葉ばかり並んでいた。【合併症】【不可逆】【慢性化】【透析移行率】そっと画面を消した。天井を見た。白かった。その白さが、やけに遠く感じた。午前2時。隣の“むくみ村の村長”が突然言った。「…
小説 『月にしみ入る恋の花』 【新連載】 フランキー・ココア 「ちぃと口を開けておくんなし…」と、太夫が僕の口になにか小粒をぽんと放り込んだ。そのとき彼女の指が唇に触れて… 吉原に一つしかない大門を通り抜け、仲ノ町に足を踏み入れながら、僕は大きくため息を吐きました。「会いたい――でも会いたくない」物憂げに秋入梅(あきついり)の空を見上げながら、自分が初めて吉原に来た日のことを思い返しました。僕が吉原に通い始めたのは、まだ桜の蕾が膨らみ始めた頃。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの大店の豪商が、近々、身請けする花魁の艶姿(あですがた)を残したいと、美人画を得意とする絵師である僕に…