俳句・短歌 句集 2022.05.09 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第62回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 正装の案山子いきなり担がるる どの家も合掌の屋根秋暮るる 往来をしばらく塞ぎ今年藁
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 かおる 身体中、痣だらけのまま着たウエディングドレス。DV夫が腕につけた痕は、結婚式の写真にもはっきり写っていた。 【前回の記事を読む】DV被害に衝動ODで入院。脳細胞の一部が死滅したらしく、言い返す気力も、考える力も、言い訳する思考力も、どこにもなかった。翌日はとても綺麗な教会で結婚式だったが、私の全身は手のひらサイズの痣だらけだった。ドレスから出ていた腕の痣だけ、結婚式の写真にも写っていた。結婚式自体はスムーズに進み、無事に終わり、その後の旅行は特にひどい喧嘩はせず満喫できた。後から聞くと、新婚旅行直前に…
小説 『眠れる森の復讐鬼[人気連載ピックアップ]』 【第34回】 春山 大樹 「見て、こんなに可愛くなったの」花火大会の日、全身火傷で眠る娘に浴衣を着せた。私だけでは勿体ないので、お友達も呼んだ。 【前回の記事を読む】「すまない、許してくれ!」声にならなかった。ベッドの足元に、少女の頭部。焼けただれた皮膚に開いた眼球。首元に手をかけられ…二人は四〇二号室を退室し、昼食時間も過ぎた。その時になって海智は退院後の外来予約がいつになるのか聞いていないのを思い出し、ナースステーションに向かった。そこには例の小林とそれよりは若い看護師がいたが、彼が「すみません」と声を掛けても背を向けて何やらおしゃべ…