【前回の記事を読む】山に行くとそこには夢で見た景色が…生駒山の不思議な導き

老夫婦の夢

書店に行ってぶらぶらしていると、『出口王仁三郎』という本に目が留まった。手にして少し読んでみると是が面白い、また、よくぞこれほどの取材、資料集めができたものだと感心しながら読ませてもらった。

続編が定期的に出ていたので、そろそろ次が出る頃と本屋通いが楽しくなった。此のペースで行くと完結するには三十冊くらい必要なのではと勝手に胸算用していた。

何冊目かのときに、次は大逆の譜編、と予告されていたが、書店に現れない。それに類するものは出るのにである。一年待っても次は出なかった。思案した揚げ句、亀岡の大本教を訪ねた。駐車場からすぐ近くに書籍売り場があり、探してみるがそれらしい物はない。担当者に相談するも要領を得ない。

奥から年配の男性を伴い現れたので、男性に持参した本を示し、「此の続編が欲しいのですが」と話すと、本を手に取り困惑した顔で、「これは和明さんが書いたものですね」と言い此処には置いていないと言う。「大本教の本ではないのですか」と尋ねると返事はない。何所に行けば求められるか尋ねるも返事はない。大本教もいろんなことがあるのかな、と諦めることにした。

京都の醍醐で仕事をしていたときのことである。通勤に時間がかかるので部屋を借りて、土曜日に帰り、月曜日に出かけて行くの繰り返しである。