【前回の記事を読む】まさに青天の霹靂…フライト中に見舞われたまさかの事件とは
第二章 機中にて
乗り過ごしにご注意
どのくらい時間が経過したかはわかりませんが、ふと気が付いて窓から外を見るとそこはすでに夕暮れの気配で、しかも空を飛んでいるではありませんか。私はやっと何が起きたのかを悟りました。飛行機の乗り換えを寝過ごしてしまったのでした。
大変困った状況になっていたものの何とかせねばならないと思い、CAの女性に英語で、「私はスペイン語がまったく理解できないが、この飛行機の次の着陸地はメデジンですね?」と話しかけたところ、そのCAは大変驚いて慌てて上級の男性CAを呼んできました。そしてそのときの会話の内容は以下の通りです。
「この飛行機は当初の予定が変更となり、メデジンには行かない。機内放送で知らせたはずだがどうしたのですか」
「スペイン語で何か言っていたようだが、私はほとんどスペイン語が理解できない。英語での放送はなかったようだが」
「申し訳ない。この飛行機はカリに向かっており、その後カリからメデジンへ向かうフライトは明日になります」
「それは大変困ったことである。あなた方が英語の機内放送をしてくれなかったため、私は大変なトラブルに遭ってしまった」
「カリにあなたの友人とか、知り合いの方はいませんか」
「私はコロンビアに来て日が浅いため、スペイン語もほとんどわからないし、カリに来たのは初めてであり、当然友人はいない」
「わかりました。大変申し訳ありませんでした」
おおむねこのような内容でやり取りが終わりました。その後の彼らがとってくれた対応は申し訳ないくらいすばらしいもので、カリでの一泊に関わる費用すなわち、ホテルの手配とその宿泊代、夕食と朝食代、空港からホテルまでの往復のタクシー代、カリからメデジンまでのファーストクラスのチケットなどなどすべての費用は航空会社が負担し、それに加えてホテルのチェック・イン、チェック・アウトからメデジン行きの飛行機の席までの案内をチーフCAがアテンドしてくれました。