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異文化交流

冒頭に記しました通り、私が社会人となり、建設会社在勤中の約三十年間、国際部署に籍を置き、中南米、東・西南アジア、中近東、アフリカなど二十七ヵ国での建設プロジェクトに関わりました。

そこではその国のトップから一般人までの交流も存在し、また特有の地理的特徴に加え、独特の文化・習慣などがあり、異文化交流と言えることが多くありました。

*異文化交流には楽しいことがたくさんある

私が海外のプロジェクトで、日本人の同僚や外国人スタッフおよび現地雇用の人たちから「佐分利さんは不思議な人ですね」と言われたことがあります。どういうことなのか尋ねたところ、「佐分利さんの周辺にはなぜか現地の人、特に子どもたちが集まる」とのことでした。

言われてみれば確かに一人のときに限らず、アフリカや中米の国のインディオの部落でも、東南アジアの国のローカル空港の待合室でも、休憩時間などに不思議と子どもたちが私のところへ来て、つたない英語で「どっから来たの? 何してるの?」など一生懸命話しかけてくるのです。

また、休憩時間などに道端で現地のお母さんたちが井戸端会議をしていれば何となくその中に入って家族や仕事のことなど雑談してきました。ときにはその国の偉い人の奥さんがいたりして、驚いたこともありました。

このようなことは、私が特別に経験したことではなく、同様な経験をしている友人も少なからずいます。その国、その場所、そこに住む人々との交流ができる人、すなわちどんな人とも何のわだかまりもなく話したり、場合によっては一緒に食事ができたりする人であれば誰でも可能ですし、そこから新しいつながりが生まれるなど、思い出に残る、楽しいこと、面白いことは必ず見つかるでしょう。

教訓

以前、テレビ番組でアフリカ未調査エリアの地図の作成のため、赤道ギニアにて大変な苦労のあと、大きな成果をあげられた日本人技術者のことが取り上げられていましたが、番組の最後に司会者から「このような国で仕事をスムーズに行うポイントは何か」との質問に対し、その技術者は「その国、その国民を愛すること。それが必ず現地の人々にも通ずる」と話されていました。

このことは私が海外で勤務中に多くの国・地域で感じていたこととまったく同じでした。

私も仕事遂行中には多くの困難に遭遇しましたが、そのときの現地のスタッフや住民のサポートが不可欠な場合が多くあります。そして、その仕事が良い結果を生んだ場合には、そこにいる現地の人たち全員と握手して回りたくなるほどの喜びがあります。