【前回の記事を読む】思わず唖然…空港で見た日本人観光客の信じられない行動!

第一章 空港にて

お土産にはご注意

これはロンドンの空港で実際に事件?を起こした人の話です。

当時、アフリカのある国に赴任中であった彼は、任務終了で帰国することになりました。そして出発の日、空港には現地で仲よくしていた日本人家族が見送りに来てくれており、「機内やホテルで食べてください」と、外国では大変貴重な海苔をたっぷり使ってくるんだたくさんのおにぎりを袋に入れて渡してくれました。彼は大喜びで日本行きの便に乗り継ぐために、ロンドンに向けて出発しました。そして飛行中におにぎりをいくつか食べて、残りを袋に戻し、手荷物の中に入れました。

飛行機は順調に飛び、数時間後にロンドン空港へ到着しました。彼は翌日の便で日本へ向かうため、その日はロンドン市内のホテルで一泊することになっており、いったんイギリスへ入国する必要がありました。

パスポート・チェックを受け、荷物の税関検査場に向かいましたが、事件?はそこで起きました。彼は税関係官の指示に従い、荷物の鍵を開けて準備し、順番を待っていました。やがて彼の順番が来て、係官が手荷物のバッグを開け、そこに入っていた袋を取り上げたとたん、海苔にくるまれたおにぎりが数個、台上に転がり出ました。

その瞬間、その係官(女性)は悲鳴をあげ、そして大声で何事か叫びながらそこから駆け出し、続いてそこにいた係官たちが一斉に駆け出しました。次の瞬間、空港の警備員(兵隊)が自動小銃を構えながら突進してくるのが見えるではありませんか。

彼は瞬時に、自分の置かれている立場を理解し、反射的に台の上に転がっていたおにぎりを取り上げ、夢中でかぶりつきました。その彼の行為によって黒い塊は危険物ではなく、まったく安全な食物であることが確認され、彼も無事に解放されました。

教訓

今回は彼のとっさに取った、おにぎりにかぶりつくという行動が速やかに係官たちの誤解を解いたため、無事に収まりました。

しかし、この事件?は例の九・一一事件より前のことです。九・一一後およびIS(イスラム国)などによる多くのテロ事件が頻発している現在は、空港での検査は大変厳しくなり、アメリカやヨーロッパ諸国の国際空港においては不審な物を持っている、あるいは、不審な行動を取る者については徹底的にチェックされます。

現在なら、もし、さきほどのような事件?を起こしてしまった場合、男女を問わず、徹底的な身分確認から荷物検査まで受けなければならず、到底すぐに解放されることはないと考えるべきです。

さきほどの事件?とは関係ありませんが、こんな事件も報告されています。

ある人が、個人観光中にちょっと知り合った現地人から、日本へ帰国する際、ホテルあるいは空港で、「日本に住んでいる友達に頼まれたものがあるので持って行ってくれませんか、その友達は日本の空港で待っているのでお願いします」などと言われてつい気やすく引き受けてしまいました。

荷物が小さいものだったので気軽に(手)荷物の中に入れておいたのですが、現地空港でのチェック・イン時に、その荷物に覚醒剤などの禁止薬物が入っていることが判明したため、即時留置されてしまいました。解決するまで長時間かかる、あるいは裁判で長期の懲役刑を科せられた、という事件でした。

日本人は特に、親切にされた現地人を信用しすぎる傾向があります。現地で旅行会社にガイドとして雇われた者の中には、臨時雇いの身元の不確かな人もいるようです。いずれにしても自分で購入した物以外は依頼人が長い付き合いがあるなど、十分に信用できる人以外の場合は誰であれ、荷物は預かってはいけません。