脳の成長は3歳で止まる?

人間は他の生物とは比較にならないほど脳が発達しています。重さでいえば1・2~1・6キロ程度と、体重の約2%ほどに過ぎませんが脳は多くのエネルギーを消費します。人間が1日に消費するカロリーの20%にあたるということだから驚きです。

そんな人間の脳は3歳までにほぼ完成すると言われています。つまり、0~3歳までの時間をどのように過ごすかということが、その後の人間の成長にとってとても大切なのだということです。脳科学においては、人間の脳内で情報を伝達するシナプスの数は生後12カ月頃にピークを迎えることが分かっています。そこから徐々に減少していき、成人する頃にはピーク時の2/3程度まで減少します。外界からの刺激がシナプスの減少に関係していることが分かっており、乳幼児期の環境が脳の機能、つまり能力や性格などに大きく関わってくると考えられているのです。

アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは、事情があって生まれてすぐに養子に出されて養父母のもとで育ちました。そのため、苦労や挫折、ストレスに悩まされて成長したのでしょう。

彼の強さは根性と忍耐力を維持すること。挑戦し続けられることでしたが、後に「禅」に傾倒したことなどから、人生が限られたものであることをよく理解していたのではないかと感じられます。

スティーブ・ジョブズのように、幼少期に親との触れ合いが少ないなどの強いストレスにさらされると、脳の成長が遅れる傾向があると考えられています。ただ、大人になると全く変わらないかというとそうでもなく、大人になってからも刺激に応じて成長し続ける部分があるので、いわゆる「脳トレ」などの生涯学習は重要といえます。

もしあなたに子どもが生まれたら、ぜひ3歳までにスキンシップも含めてたくさんの刺激を与え、脳のシナプスをできるだけたくさん残してあげるようにしてほしいと思います。そういう、次世代を担う子どもたちが増えていくことで、日本という国の未来が明るくなっていくのだと信じています。