付箋を貼りながらの読書
書く能力を上げるための読み方といっても、そんなに難しいことではありません。単純な結論で恐縮ですが、まずはじめるべき行動は、付箋を貼りながら読むということです。
もったいつけた割には、だいぶ普通のことを言いました。「付箋はおろか、オレはメモを取ったり、読書ノートを付けたりしている」という人がいたら、もう何も言うことはありません。どうぞ、自分なりの読書法を確立していってください。しかしながら、なかには付箋を貼ったり、ラインを引いたりしたことなど一度もないという人も、もしかしたらいるかもしれません。
書くことを前提にした読書において、付箋を貼る行動の目的はひとつ、「再アクセスを容易にする」ということです。ちょっと気になった表現、言い回しの鋭い文章、自分にとって新しい情報、普段使わないような言葉、なんでもいいのです。少しでも〝己の琴線〟に触れた箇所があれば、どんどん付箋を貼りながら読んでみてください。すごく、すごく簡単なことです。
ページの端を折ってもいいのですが、本を傷つけるので私はしません。またペン入れに関しても、本が汚れる、再読したときにかえって煩わしく感じる、一ページずつめくらないとどこにペンを入れたかわからないという理由から、これまた私はやりません。文中にメモを残したい場合には、付箋を貼り、その上に書きます。後述しますが、私は、読み切れなかった本はどんどんリサイクルショップに出しますので、高く引き取ってもらえるよう、なるべくきれいな状態にしておきます。
また、読書に対して、これ以上の余計な負担が増えては意味がないので、読書ノートは付けませんし、ましてや要旨をまとめるなどといったこともいっさいしません―やることを否定するものでは、けっしてありませんが。