死刑制度
治安に関する情報をメールで配信する行政サービスがある。最近、不審な男が小学生をいきなり殴りつけたという事件があった。まったくひどい出来事だが、話は思わぬ方向に進んだ。
子「近くの小学校に通う子が、知らないおじさんに殴られたって」
父「子どもに手を出すなんて、許せないね。死刑だな」
子「死刑に出来るの?」
父「出来ない。気持ちとしては、そうしたいくらいだって意味だよ。でも、おまえが大人になった時には、死刑は廃止されているかも知れない」
子「なんで?」
父「世界的には、もう廃止しちゃった国の方が多いし、日本でも反対する人がいるんだよ」
子「人を殺したら自分も殺されても仕方ないような気がする」
父「そうだね。昔は敵討ちが認められていたから、その家族が仕返ししたり出来たけど、そうすると毎日どこかで仕返しが行われているというおっかない状況になるので、仕返しする権利を国に取り上げられているよ。でも、必ず死刑にするわけじゃないので、遺族が納得出来ないことも多い。おまえが誰かに殺されたりしたら、敵討ちしたい気持ちになるだろうね」
子「じゃあ、お父さんは死刑があった方がいいんだね」