2.初号機は太陽系内用で直径200m程度
地球が、安定した電気エネルギーを準備できたら、人類は恒星間航行宇宙船に着手する。最初から直径2000mは無理だろうから、初号機は、直径200m以下で作り上げ太陽系内の調査や資源開発に利用する。人工重力があるので、食料があれば、何年でも宇宙で活動できる。
また、この初号機の宇宙船をモデルに、1500年という長期稼働にするための改善点を抽出する。機械のメンテナンス方法やどんな工作機械を船内に搭載させるか、船内の食料製造方法、空気の管理方法などの改善点を見つけ出す。
さらに、妊娠、出産、育児、病気治療などの試験も取り入れ、長期の船内の暮らしをどのようにしていくかも検討する。
太陽光パネルの製造と違い、非常に長い期間の調査が必要となる。パネル衛星が完成した後、2000年近くはさまざまな検討をこの初号機の宇宙船で行う。月軌道上のステーションは、次の本格的な恒星間宇宙船のサイズに合わせ、直径2000mという大きさに変えていく。
この巨大なステーションの名前は、宇宙の大海神ポセイドン(Poseidon)というのはどうだろうか。
3.本格的な恒星間航行宇宙船は西暦4500年
さまざまなテストを繰り返した結果、いよいよ直径2000mもの宇宙船の建造となるが、作るだけでも100年はかかると思って取り組もう。
地球へ送電するマイクロ波用の太陽光パネル衛星完成まで200年から300年、恒星間宇宙船の初号機関連の実験期間2000年の後の建造である。完成は西暦4500年ぐらいか。
もうこのころの地球では、完全な循環社会構造であり、将来不足する元素なども十分検討されており、半導体用のホウ素資源だけが、宇宙船の目的ではないだろう。
搭乗員は、地球から移動するのではなく、月の軌道上にある2000m級の宇宙ステーションからの移動になる。搭乗員たちは、長期の滞在に対応できるよう代々宇宙ステーション内で生まれた人々だ。
1歳から50歳まで、各年齢の男女50人ずつが、搭乗し全員で5000名である。地球文明が、移動するようなものである。代々、教育をしっかり行い、引き継ぎながら、ケンタウリ星系に向かう。
およそ500年かけケンタウリ星系に到着したのち、300年近くかけ、星系の資源調査を行う。そして必要な資源を採取し地球へ持ち帰る。500年をかけて太陽系に帰る。総工程で1300年である。
もしかすると、秒速3000kmではなく4000kmぐらい出てもう少し短くなるかもしれない。地球の未来を掛けたこの恒星間宇宙船に名を付けたい。“地球文明が、移動するようなもの”であることを考慮し、ソーラーアーク(Solar Ark)号はどうだろうか。