恒星間航行宇宙船
SF映画などでは、恒星間航行は、ワープとかワームホールとか言う超光速で移動する手段で表現されている。物理は、物の動きを見て考えた学問である。ワームホールとか見た人などいない。完全な作り話である。しかし、人類が長く生きるには、資源獲得のため恒星間航行は必要になってくるだろう。
(1)宇宙船の目的はホウ素資源の調達
そもそもなぜ恒星間航行が必要になるのか。それは現在の文明を維持するため、スマートフォンやエネルギー源である太陽光パネルの半導体を製造するのに原子番号5番のホウ素(B)が絶対に必要だからだ。
半導体製品は、シリコン(Si)の中に少量のリン(P)が混ざるN型半導体、それとシリコン(Si)の中に少量のホウ素(B)が混ざるP型半導体で構成される。現在の元素資源状況は、ホウ素の方が資源疲弊加速が大きいため、P型半導体が早く作れなくなるだろう。
(2)航行方法は光圧、重力は遠心力
実現性の高い恒星間航行は、光の圧力を推進に利用する方法である。速さは、秒速3千kmまで高め、住居は直径二千m・厚さ十m未満、幅数百mのリングを中と外側に二重にして用意し、電磁力でリングを互いに逆回転させて人工重力1.0Gを作り生活する。
回転の速度は、時速356kmで、63.4秒で一回転する。隣の恒星に行くのに片道5百年、男女各年齢に50名ずつ、1歳から50歳で、最初に5000人が搭乗し、その中で数十世代に渡り、ホウ素採集のミッションを行う。
次の図は宇宙船のリングの直径と回転速度を表したグラフである。直径が小さい方ほど回転速度が小さい。宇宙船の中は、地上と同じように、保育園、小中高の学校があり、船内の業務を行うための専門職部門に分かれて教育を行う。もちろんレジャー施設も存在し、長年の宇宙生活に対応した船内社会ができている。
教育を修了した者は、船内業務従事者となる。地球の社会が、そのまま宇宙を移動するわけである。温暖化対策を完全に実施し、完全な循環社会が実現できている地球なら実現は簡単である。