Q.運転免許は取れますか?

A.二〇一四年六月一日に改正道路交通法が施行され、運転免許の取得手続きが大きく変わりました。

従来から、道路交通法には、「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」にかかっている人には、公安委員会が運転免許の新規交付や更新を拒否できる旨の規定(同法九〇条、一〇三条)があります。ここでいう「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」の一つに、「重度の眠気の症状を呈する睡眠障害」が挙げられています(同法 施行令三三条の二の三)。ナルコレプシーも、法令に具体的な病名が書かれているわけではありませんが、この睡眠障害の一つです。

前記の道路交通法の規定は、睡眠障害にかかっている人全てに対し運転免許の交付・更新を拒否すると定めたものではもちろんありません。

ナルコレプシーにかかっていても、治療を受け、決められた服薬をすることによって、眠気がコントロールできていると認められれば、運転免許証が交付され、車を運転することが可能です。

病気の症状があるにもかかわらず、申告しないで免許を取得することは違法です。事故を起こした時に発覚して罰を受けるだけでなく、免許取り消し後に再取得を申請する時の救済措置も適用されません。

また、晴れて免許を取得しても、運転に際しては細心の注意を払いましょう。服薬していない時、睡眠不足の時は、絶対に運転しないでください。ナルコレプシー患者の自動車運転に向けられる世間の目は厳しいものです。不正に免許を取得したり、決められた服薬をせずに車を運転してもし事故を起こしたら、当人だけでなく、他の人たちが努力の上に築いてきた社会からの信頼も、一挙に失うことになります。

私たちひとりひとりが患者全体の名誉を守っていくことを心がけましょう。

Q.めちゃ寝ますがナルコレプシーですか?

A.よく聞かれる質問ではありますが、以下のポイントを確認してみてください。

①睡眠時間が十分に(一日七〜九時間以上)確保されているのに毎日眠い。

②絶対に寝てはいけない場面で寝てしまうことがある。

この二つに該当するようであれば、睡眠の専門医を受診してみてはいかがでしょうか。ナルコレプシーに関しては、その他に情動脱力発作、入眠時幻覚・金縛り、自動症といった症状も見られます。日中の眠気以外の症状もチェックしてみてください。

実際は睡眠時間が足りなかったというケースが多いですね。