私の物語

そんなある日、私は人生で忘れられない日を迎えます。コーチングに出逢ったのです。

時は2000年。まだコーチングが日本でほとんど知られていなかった頃、ある日突然コーチングを学んでみてはどうかと、大切なお客さんから勧められたのです。身体も完治していなかったこともあり、やんわりとその誘いを断りました。

けれども、「あなたに合っていると思う。今の仕事よりもずっと」と言って、断っても、断っても何度もやってきては、根気強く勧めてくるのです。根負けした私は、数か月後、彼女が勧めるコーチングを学ぶ場に行ってみることにします。するとそこで私は、衝撃の体験をするのです。

それはまるで、長年追い求めていた故郷にやっと戻ってきたような感覚でした。

今から思うと、コーチングが素晴らしかったのはもちろんですが、その手法を通じて、自分という存在に出逢えたことが嬉しかったのだと思います。それまでの私は、何か困ったことがあった時、答えは自分の外側にある、誰かが私を導いてくれる、そう思い込んでいたので、自分が何を感じ、何を欲しているのか、本当の意味で奥深く考えたことがなかったのかもしれません。

コーチングとの出逢いは、その根底を覆す体験だったといえます。