要保護児童対策地域協議会との連携について
◎できる限りのことばがけをすること
わが園でも、入園前に近隣の人から要保護児童対策地域協議会(虐待を受けた児童などに対する市町村の体制強化を固めるため、関係機関が連携を図り児童虐待等への対応を行う地域ネットワーク。平成一六年の児童福祉法の改正により、設置が進められている)に通報があったことから、ケースワーカーが家庭訪問し、市の保育課を通して当園に入園したことがありました。
保育課からはごく簡単な説明があったあと、入園前面接、用品販売、そして入園式を済ませました。入園前面接と用品販売は私がしましたが、問題には意識的に触れないで、ほかの人と変わりない態度で面接するように心がけました。
入園後の約三週間後にケースワーカーが来園し、家庭についての情報がもたらされました。
入園後、クラス担任と私と副園長において、さりげない態度でのことばがけをした結果、比較的早く母親も明るく応答するという態度が見られていました。ケースワーカーには、子どもたちの様子や母親の応答ぶりについて私から説明しました。
ケースワーカーからは「再度家庭訪問して、父母と面接し、また祖母とも面接して、園とも今後の方針について協議する」ことが伝えられました。
その後、ケースワーカーとの協議によって、保育課の心理士による発達相談、保健所の精神衛生相談員による母親に対するカウンセリングの実施が計画され、時間的には少し日があきましたが、いずれも実施されました。
園としては、母親に対しては、子どもたちの様子をおくりむかえのときに直接、簡単でも伝えるとともに、私と副園長においてもできるだけ毎日ことばがけをすることをケースワーカーに伝えました。
保育課の心理士から発達に大きな問題がないことが母親に伝えられるとともに、園のクラス担任からもプラスの情報を母親に伝えることがくりかえされることによって、母親の子どもに対する評価が大きく改善されてきました。モニタリングは数か月に一度の割合で続けていました。