幼児期の子どもを伸ばす遊びかたと接しかた
年が離れた子ども同士が自由に遊ぶことの大切さ
家庭での子どもの数が減る傾向は、相当前から続いています。そして、交通事故や子どもが被害にあう事件が起こるたびに、子どもだけで家の外で遊ばせることに、社会全体が消極的になっています。近隣のつきあいが少なくなるとともに親戚とのつきあいも少なくなっています。
外出するのは買い物に行くか、クルマで家族同士で誘い合って遊園地などへ出かけるなどで、子どもだけで自由に遊ぶことは少なくなっています。
保育園でも、子どもたちだけで自由に遊ぶ機会は、近隣からやかましい、うるさいなどと苦情が寄せられたり、あまり自由に遊ばせるとケガが心配になってしまい、園庭で自由に遊ばせることが少なくなっています。
保育園や学校などでは相当以前から年齢の違う子ども同士が遊ぶことが大切だと考えて、保育園ではたてわり保育、学校ではキョウダイ学級などの取り組みを行っています。保育園のたてわり保育とは、三才児、四才児、五才児を一クラスにしての保育です。詳しく見ると、園の事情によっていろいろなやりかたがあるようですが、大人が意識的に、年齢の違う子どもを一グループにして保育を行います。
当園では開園後すぐの約三八年前から、「自由あそび」の時間をつくって、一才児から五才児までの子どもたちができるだけ自由に園庭で遊ぶことを積極的に行っています。保育士の数名が、遊んでいる子どもたちのなかに入って、なるべく干渉しない姿勢で、ものを振り回したり、ケンカがエスカレートしたときに子どもの名前を呼んだり、それほど強い制止にならないように気をつける態度で見守るようにしています。