【恋愛コンサルタント山本香織さん】
山本 しかも、眠気は誰にでもあるものだから、この眠気が病気だとは思わないじゃないですか。周りからの偏見もありますが、自分自身でもなぜ仕事ができないのかと苦しかったです。
川崎 よく気づくことができましたね。
山本 眠気を原因不明な気持ち悪さだと思って、いろんな病院に行ったけどなかなか原因が分からなかったんですが、たまたまネット検索をしてナルコレプシーの存在を知ったんです。
川崎 たまたま知ることができたんだ。病気と分かってから、生活に変化はありましたか?
山本 病院に行って検査入院をして、自分がナルコレプシーだと知った時、今までは自分を責めていたけど、私のせいじゃなくて、病気のせいだと分かり、とても安心したのを覚えています。
薬を服用することで、日中の眠気がだいぶましになって、仕事ができるようになり、会社での周りの反応も少しずつ変わってきました。病気と分かって薬を服用して働けるようになってからは、部署も異動し、上司やメンバーに恵まれましたしね。
私自身も自分の病気のことを一度プレゼンし、みんなに理解してもらおうとしたりもしました。周りの方は自分が思っていたよりも優しく、協力的で、特に何人かの後輩は寝ている私にいつも声をかけて起こしてくれました。
川崎 やはり服薬すると生活がガラリと変わりますよね。それだけで働きやすさや、自分自身へのストレスも軽減しますし。
山本 はい! 仕事が楽しくなって、仕事における自信もついてきました。病気と分かる前は、自分で自分を責めていたし、とても苦しかったけど、病気と分かって自分のことをオープンにしていくと、周りが優しくて、いつも助けてくれること、理解してくれることに気づけ、今では感謝しかないですね。世の中はそんなに苦しいことばかりではなかったんです。
川崎 悩んでいる時は、その悩みに焦点が集まっちゃうけど、病気と判明したことで、見えていなかった部分が見えてきたって感じですね。周囲との関係で大切だったのはなんだったんですか?
山本 一人で頑張ることをやめたことですかね? 信頼できる周りの方に病気のことをオープンにして、寝てたら起こしてもらうなどの協力を求めて、助けてもらいながら仕事をしました。もちろん頼るだけじゃなくて、起きている時に仕事を頑張って信頼関係を構築できるように努力だってしました。
「なんで私だけこうなんだ!」って自分を責めていたこともあったけど、「ない」ことに目を向けず、自分の周りに「ある」ことに目を向けると、助けてくれる周りがいることに感謝するようになって、幸せを感じることができました。