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同じ年に生まれた平成の歌姫の世界観の相違に若者の心象風景を透視する

奇妙な符合である。J-POPシーンを代表する2人のDIVA(歌姫)が同じ年の、しかも同じ月に生まれているのだ。「Superfly」の越智志帆は、1984年2月25日生まれ。「いきものがかり」の吉岡聖恵は、同じく1984年2月29日生まれなのだ。わずか4日しか違わない。しかし、彼女達の歌い上げる心象風景は180度と言って良い位違っている。

Superflyの越智は、四国の愛媛県で生を受けた。今治北高校から松山東雲短期大学に進学した。そして19歳の2003年に、松山大学でポピュラー音楽万般に造詣が深い多保孝一と運命的な出会いを果たす。中学時代にクラスで行った合唱コンクールにて、人前で歌うことの喜びを覚えたのが音楽を始めるきっかけとなった。多保から薦められたジャニス・ジョプリンの『Move Over』をきっかけにロックに傾倒したという。

21歳になった2005年に、知り合いの伝手で下北沢のライヴハウス「屋根裏」でライヴを行った。愛媛から色々なレコード会社に送っていた2曲入り自作CDを聞いた音楽業界の人々が興味を持って観に来てくれた。愛媛ではそれほどの評判でない彼らの音楽が東京では「素晴らしい!」と言ってもらえることを知った二人は地元と東京との差を実感し上京を決意した。

2006年に、上京して活動の場を松山から東京に移した。しかし東京でもメンバーは見つからず、この頃より越智と多保の二人だけで活動するようになった。そのためライヴ活動はまったくできなかったが、発想を転換して、デモ音源を作りレコード会社や芸能プロダクションに送ったり配ったりすることに力を入れるようになった。そのうちに音楽業界の人間と知り合うようになり、デビューのきっかけを得た。翌2007年の4月4日、1stシングル『ハロー・ハロー』を発売し、メジャー・デビューを果たす。