小説 『超能力探偵 河原賽子』 【第66回】 春山 大樹 飛行機事故で両親を失った少女…現場で発見された時、少女がしっかり手に握っていたのは、人間の形をした人形だった。 【前回の記事を読む】妹の就職先で起きた、ある事件をきっかけに…教育者だった両親は心中を図り、妹と私の“地獄”が始まった。「黒豆パン買ってきたからお姉ちゃんにもあげようと思ってここに向かってたら、変な電話がかかってきたからうそ電話詐欺だと思ってすぐ切ったのよ。まさか本当に警視庁の刑事が来ているなんて思わなかった」そう言って皆実は玄関に上がると姉に袋を手渡した。「皆実、大丈夫?」「大丈夫よ。私も最近…
小説 『七つのショートしょーと』 【第8回】 なつ野 一五 「弘ちゃんのママはね、いないの」紅い椿に母の面影を見た少年。だが、その椿は…… 【前回の記事を読む】もうペットは飼いたくない——そう思っていた時、迷子の犬と出会った。家族全員で可愛がり、手放せなくなった頃…家のチャイムが……それは椿の木だった。つばきはその家が建てられた時、家の敷地の庭に植えられた。その頃(ころ)、家の周りは畑ばかりだった。俗にいう野中の一軒家だった。だからまともに風が、雨がつばきに向かい、時には、強く長く果てしもない苦痛をくらわせたけど、普段は風も雨も極め…