ナルコレプシーと初めて向き合う
周囲の方の理解・協力もあり、ナルコレプシーによる日常生活への大きな支障はなく中学生活を送ることができていましたが、高校へ進学すると、日常生活への支障は徐々に現れ始めました。中学までの内容ならば、授業中に寝ていてもなんとかついていけました。
しかし、高校からは授業で寝ていると勉強内容についていけなくなり、成績がガクンと下がりました。当然、勉強不足もありますが、定期テストで0点を取った時は、本当にショックでした。
これまでは、ナルコレプシーは寝るだけの病気と考え、病気と向き合ってこなかった私ですが、日々の勉強面ではもちろん、進路を考える上でも、少しずつナルコレプシーに対する意識に変化が生まれました。
当時の私は、将来へのビジョンというものは無く、都内の総合大学に行き、一人暮らしをして、サークルや飲み会を満喫する、ダレた大学生活を送る日々を夢見ていました。進学先の学科は建築関係にしようと、父の仕事や工作が好きだという理由でなんとなく決めていました。しかし、そのことを両親に相談したところ、大反対されました。
先のビジョンも無く、なんとなくでしか将来を考えていない私を見て心配した両親と家族会議が行われました。
大学に進学するまではいいとして、その先どうするのか? ナルコレプシーという病気があったら、就活は上手くいくのか? 寝てしまう身体でどんな仕事ならできるのか? 工場だったら寝てしまった間に事故を起こしたり、機械に巻き込まれて怪我をしたりすることも考えられる。デスクワークの仕事なんてやったら一日中寝ていたりするのではないか?
様々なことを想定した話し合いをしましたが、思春期真っ只中の私は、なかなか聞く耳を持てませんでした。この時初めて、ナルコレプシーが私の人生の選択の前に壁として立ちはだかった感覚でした。
このあと、なぜナルコレプシーという病気に私の未来が制限されるのだという「怒り」や、なぜ起きていたいのに寝てしまうんだといった「自責の念」、好きで病気になったのではないのにという「悲観」等、様々な感情を抱えた日々が続きました。
そんな中、ある出来事を思い出しました。そこから私の将来の目標ができ、進学先や職業選択のきっかけとなりました。