俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2021.10.15 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第2回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 原因のわからぬ病と医師は言い 四十路よそじ半ばの波乱幕開け 治したい! 最初は徹底抗戦で 努力重ねて治療に明け暮る いと悲し病もねばるついて来る 頭切り替え旅は道連れ
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 かおる 身体中、痣だらけのまま着たウエディングドレス。DV夫が腕につけた痕は、結婚式の写真にもはっきり写っていた。 【前回の記事を読む】DV被害に衝動ODで入院。脳細胞の一部が死滅したらしく、言い返す気力も、考える力も、言い訳する思考力も、どこにもなかった。翌日はとても綺麗な教会で結婚式だったが、私の全身は手のひらサイズの痣だらけだった。ドレスから出ていた腕の痣だけ、結婚式の写真にも写っていた。結婚式自体はスムーズに進み、無事に終わり、その後の旅行は特にひどい喧嘩はせず満喫できた。後から聞くと、新婚旅行直前に…
小説 『縁 或る武家のものがたり』 【第10回】 伊藤 真康 燃え落ちる大坂城を背に、阿古姫と幼子たちは仙台へ。彼女を訪ねてきた意外な人物とは――? 【前回の記事を読む】「我が殿に一度刃を向けようとも、いずれ必ずや皆残らず味方とする」老将はそう言って落ち延びた敵方の妻子を迎え入れた案内された天下茶屋(てんがちゃや)の片倉本陣では、信氏の言うとおり、握り飯や温かい汁が用意されていた。「さあさあ、さぞ空腹でありましょう。たんと召し上がられよ」「わあー! 握り飯じゃ!」長きにわたる大坂城中での籠城、そして脱出行により、極限まで腹を空かせていた阿古の…