ナルコレプシーは病気であって、私の一部でもある【発症〜学生時代の向き合い方】
診断が与えた安心感
ナルコレプシーと私について話を始めるには小学生の頃に遡ります。
小学生の頃の私は落ち着きがなく、先生にはよく叱られるタイプで、いわゆるヤンチャで生意気な子供でした。そんな私も小学校四年生までは授業中に寝るようなことはありませんでした。私の場合、ナルコレプシーはおそらく、五年生頃に発症していたと思われます。
ナルコレプシーが発症したタイミングには、おそらくきっかけとなった出来事があります。それは小学五年生から中学受験のため塾へ通い始めたことです。
学校から帰ると、早めに夕食を食べて塾へ行くという勉強の日々が続きました。当時通っていた塾はとても厳しいところでした。基礎だけを教えられ、それ以外のアドバイスはなく「自分の頭を使って考えろ」と何時間も一人机に向かわされていました。泣きながら教えてくださいと頼んだり、教室に一人で深夜一時まで残されたりしたこともありました。
その頃から塾での勉強中の居眠りをはじめ、小学校の授業中でも寝ることが増えてきたと思います。これが小学五年生頃、初めてと思われるナルコレプシーの症状です。
塾で寝始めていた頃は先生の対応がとても辛かったですね。塾で問題を解いている最中、気づいた時には寝てしまっていて、起きたと思ったら顔や手、腕に落書きをされていました。それを見て他の生徒はクスクス笑っているし、居眠りを理由に一人夜遅くまで教室に残されるし……とても恥ずかしい気持ちになりましたし、惨めな気持ちにもなりました。落書きをしてくる先生にも、それを見て笑っている他の生徒にも、なにより寝てしまう自分に嫌気がさしていました。
今になって思い返すと、当然睡眠不足もあったと思いますが、ストレスから逃げるための無意識での防衛だった気もします。病気と分かる前なので、仕方ないと言えば仕方ないのですが、寝ている姿だけを見て、怠けていると考えたり、意地悪をするのはやめていただきたいですね。
寝てしまうことだけでもかなりのストレスになるのに、起きてからも周囲からのストレスを感じるのは、精神的にもかなり負荷がかかります。もしかしたら、身体的・心理的に大きなストレスを受けたことがナルコレプシー発症のきっかけの一つになったのかもしれませんね。