やっぱり怖かった、オレオレ兄ちゃん!

先日、本当に嫌な事があった。

うちは一階が店舗、二階が住居になっている。

固定電話は店と住居と一緒。

電話の登録名義はおばちゃんの個人名。

この年になると、女の名前だと、旦那に死なれたあわれなばあさんとして見られているのか、あちらこちらのあまりよろしくない集団から年がら年中、詐欺まがいの電話がかかってくる。

おそらく個人情報ダダモレです!

もちろん店の電話なので、お客さんからの予約電話もあるので、かかってきた電話には全て出る。

若い時はそうでもなかったが、六十過ぎたあたりから、

「○○に変えれば電話代がタダになる!」

……そんなうまい話ありゃせんがな……。

だの、こうしたら安くなる系が多い。

オレオレ詐欺なら、うちの場合、受話機をとったら、屋号を言うので、ほとんどそこで切れる。

が、その時はちがった!!

その日は店が休みだったので、おばちゃんはのん気に昼寝をしていた。

電話が鳴った。

「ハイ、○○です!」と屋号を言う。

「あ、いたんだ〜! 今日行くからさ〜!」と若い兄ちゃんの声。そう言われれば誰だって店にくるもんと思うでしょ!

なので、

「今日は休みですよ。うちの営業日は○○です!」

「エッ何言ってるの〜わからないの、オレの声わかるでしょう!」

ねぼけていたおばちゃんは、昼寝をじゃまされたイライラがつのり、少し声が荒がってきて、

「だから、ごめんなさい。わかりませんよ、どなたです!」

そしたら、そのバカは、

「マジに〜、ふざけないでよ! オレだよ、オレ!!」

と、これ又ど直球なオレオレアピール!!!

もう少しひねればいいものを、あまりにも素直にオレオレアピールされたものだから、おばちゃんは思わず、

「ハ〜てめえ! オレオレ詐欺か! どこに電話かけてんだ!!」

と、やくざばりのとんでもない受け答えをしてしまった。これは言い訳ではないが、いつもは人のいい、品こそないが、おだやかなおばちゃんなのだ!!!