実際に、みんなはどうしているのか?

では、難関国立大学を目指す人たちは、高校三年生の一年間、具体的にどんな受験生活を送っているのでしょうか? 高校三年生になる瞬間には受験生活のスタートを切っているようにしたいので、その直前、高校二年生の三学期には、一年間の設計を完了する必要があります。

ということは、二年生の二学期中には情報の集積が必要ですね。自分が受験する大学を決めたら、まず塾・予備校選びですね。これは必要です。なくてもうまくいく人はいますが、情報があれば、他の選択肢を選んでいたかもしれません。だから、情報はきっちり集めましょう。入試情報とモチベーション形成は受験には絶対必要です。

そして、情報は大手予備校で、モチベーションは熟練の塾で得られる可能性が高いですね。自分でできる見通しのある教科は自分でやります。そうでなければ、いい講座を探して受講します。大事なのは、講座・講師の内容と入試情報、そしてモチベーションを保つのに必要な刺激や精神安定装置です。

高三になるまでに塾・予備校情報を集めますが、ブランドでは選びません。塾・予備校名ではなく、その講座と講師を選びます。したがって、複数の塾・予備校に通うのは当たり前。大手でいえばT進とS台とK合で、二つのかけもちはやっていいことと考えるほうが現実的です。塾・予備校を一校にしぼるのは効率的に見えますが、実態としてはあまり意味のない授業も受けざるを得ず、ワンストップはかえって非効率です。

また、一校だと経費がお得と考えるかもしれませんが、それは逆の場合があります。複数の予備校・塾で講座と講師を選んで上手に受講したほうが断然お安く上がり、お目当ての講座が無料になる方法もあり、入会金が不要な場合もあります。夏休みの講習だけで七十万円も八十万円することがあるそうですが、年度初めの設計をしっかりすることで、年間で六十万円くらいにすることは可能です。やはり事前情報は、手間を惜しまずに集めることをお勧めします。

方向性を決めたら、六月から十月は苦しくても迷わず進むことになります。相談事は塾の先生と折々しておくのがお勧めです。判断基準を共有しておくと、「転進」のタイムリミットを知ることができます。

十二月に入ったら、センター対策に集中。体調管理も重要ですね。やっていることに覚悟と確信がなければ、気持ちがついてこなくて悪影響が出ます。心を強くして続けましょう。あとは、走るだけです。

うちの塾で、入試一ヶ月前に配付する応援詩があります。この中身をずっと指導してきて、この詩を配る段階を迎えます。