子育て、しつけ 設計図も完成図も無い 一大プロジェクト

暗中模索 子育ては手探り

子育ては、まさに暗闇の中を試行錯誤しながら手探りで進むようなものだ。

昔、子ども達がまだ小さかった頃、よく見知らぬご婦人に声をかけられた。

「あなた4人も子育てして偉いわね。大変でしょうけど、今が一番幸せな時なのよ。頑張ってね」。その頃、私はだいたい毎日疲れていたし、気が張っていたのでウルウル涙目になりながら、ただ頷いていた。

私はこうやって多くの人に褒められるから、まだ救われる。

でも言っておくが4人だからなのではなくて、1人だろうが2人だろうが、子育てが大変なのに変わりはない。

1人の場合は「この子の子育て絶対に失敗は許されない」と常に緊張が強いられる。

どうしても愛情も手もお金もかけすぎてしまいがち。力の抜き加減が分からず、親子とも他に逃げ場がないから、それはキツイ。全面対決にもなりやすく、愛が重すぎて「好き避け」したくなる。

お互い素直になれず、つかず離れずの良い距離感を見つけていくのは至難の業だ。

2人の子育ては母親との三角関係でそれはまた大変である。

親子とはいえ、どうしても相性の良し悪しはあるものだ。兄弟姉妹間の嫉妬ほど恐ろしいものはない。小さかった頃の恨みは、その後忘れられることはない。愛情配分には「絶妙な匙加減」を要求され、こちらも大変難しい。

幼い頃の嫌な思い出から姉妹で断絶、何年も口をきいたことないという話もよく聞く。

性格が真逆の姉と私が、今も仲良く付き合えているのは母のお陰。2人とも等しくたくさんの愛情をかけてもらったからだと感謝している。