筋持久力に及ぼすMAF(ミトコンドリア活性化因子)との効果
2007年に卒業研究生として沼田研究室に入ってきた江口君はトライアスロンの選手で、筋力アップ、特に筋持久力アップに強い関心を持っていました。トライアスロンの成績向上につながる研究をMAFを使ってやりたいと考えていました。
藤原君、江口君、そして私はMAF研究の今後の展開について話し合いました。ミトコンドリア研究が専門の中田和人教授にも相談に乗ってもらいました。
その結果、私たちは、MAFがミトコンドリアを活性化して、遅筋化を促し、そして筋持久力を向上させるのではないかという仮説を立てました。この仮説を証明しようという提案は、トライアスロン選手である江口君にとっても魅力的な研究テーマだったようです。
私にとっても、彼のMAF研究参加は願ってもない好機でした。江口君を伴い、頼りになる後輩でかつ優秀な共同研究者である筑波大学体育系の武政徹教授の研究室に向かいました。武政教授は骨格筋の分子運動生理学的研究の専門家で、MAFによる遅筋化の研究のための最高の共同研究者でした。
マウスを使った、MAFによる遅筋化の研究に関してお願いしたところ、江口君の研究指導も含めて協力していただけるとのこと。ここに「筋肉に対するMAFの効果を検証する研究プロジェクト」がスタートしました。