日本の精神「道」とは
私は、子宮ガンだと言われたのに、手術を受けず、数年を無事に生き、手術を受けたら、奇跡的に間に合って助かりました。
この数年間に、私は、華道に打ち込んでおり、それが、結局、ガンの事を一切考えない、無心の日々であり、何か大きな力に、救われたのだと思われます。日本には、華道の他に、茶道、香道、書道、剣道、弓道、柔道などがあり、日本の伝統を継承しているものを、「道」と捉えています。
「道」とはなんでしょうか? 私が思うに、それは、新渡戸稲造の説く『武士道』に通じる精神ではないかと思います。
新渡戸は「武士道はその表徴たる桜花と同じく、日本の土地に固有の花である。……今なお我々の道徳の道を照らしている」と述べています。
「道」とは、まさしく日本的な道徳観だと思われます。礼節であり、義であり、仁であり、これらの精神を備える心を「道」と言い、日本は「道」を重んじる国で、それが、日本を日本たらしめているのだと思います。
それを証すように、今回の新型コロナウイルス感染症対策で、緊急事態宣言が発令されると、法の強制力もないのに、国民は見事に自粛生活を遂行しています。欧米のような、ハグや握手の習慣はなく、相手と距離をとり、お辞儀をする礼儀が習慣のおかげで、パンデミックも起きていません。
「道」を重んじる精神性が、日本人のDNAには刻み込まれており、人道に反する事をよしとしないのだと思います。震災や、台風・大雨など、幾度も自然災害にみまわれ、被災地では、大変な避難所生活を送られている中でも、礼儀正しく、我勝ちにならず、順番を待ち、パニックを起こしたりしない国民性は、特筆すべき事だと思います。
また、古来より神道のある日本は、仏道も取り入れ、神仏習合しており、宗教観が実に大らかです。このような宗教観は、今で言えば、大変グローバルなもので、世界もこのようであれば、戦争もテロも起きないのにと、私は思ったりします。
私は、ガン闘病中、困った時の神頼みで、あちこちの神社へお参りをしました。学校で親しみ、華道も大覚寺がお家元で、仏様の教えを受けた事から、お寺にも、あちこちお参りしました。この事で、どれだけ心が救われたかしれません。
私は、日本に生まれた事を、本当に幸せに思っています。