魚の棚

魚の棚瀬戸内海の入り口ともいえる明石海峡に面し、パールブリッジ(明石海峡大橋)が開通するまで淡路島岩屋へのフェリー乗り場で活況があった明石。

そのお膝元である明石港から歩いて数分の場所にある魚の棚は有名な商店街で格別に新鮮な魚が安く手に入ります。またここは昼網で、夕方遅く行っても新鮮な魚が豊富に揃っています。

近年は家庭排水が海に流れなくなり、海水がきれいになっていかなごが不漁です。2月下旬から初春を告げるくぎ煮用のいかなごが揚がり、それを使って、この地方独自の佃煮「くぎ煮」つくりが始まります。

名前のいわれは、いかなごにザラメを加え長時間煮るために、いかなごが古釘に似て見えるからです。この地方の初春の家庭の行事で、各家庭の味付けによる微妙な味の差があり、奥が深い料理のようです。

温かいご飯に振りかけて食べれば、食も進みます。もちろんこの地方では「くぎ煮」は佃煮として商店の店先に陳列されており、誰もが「くぎ煮」を買って賞味はできます。

明石と言えば鯛、穴子とタコが特産です。明石鯛は明石海峡の豊富なエサと激しい潮流にさからって鍛えており、身が引き締まって脂の乗りも良いです。

旬な時期は晩秋から春にかけて、特に晩秋は「もみじ鯛」、産卵期直前は「桜鯛」と呼ばれて脂が最高に乗っています。

刺身、焼き、湯引きといった調理法で旨味を楽しめますが、それ以外にも鯛ご飯やみそ漬けなどの食べ方があります。