学校歴で「公立派」と「私立派」が分かれる
なぜ学校の「公立派」「私立派」には、対照的なものの見方、教育観が発生するのでしょうか?
それを考えるに当たって、学校基本調査で文科省管轄の施設数を見てみました。
それによると、幼稚園では私立が国公立よりも多く、小学校から高等学校までは公立のほうが多くなっていました。そして、大学・短大・高等専門学校は私立が多いという結果です。
しかも、この多い少ないというのは、わずかなちがいではなく、倍数的にちがうのですね。平成二十七年度の統計値は、だいたい次のような感じです。
・幼稚園数……私立が、国公立の二倍多い。
・小学校数……国公立が、私立の九十倍多い。
・中学校数……国公立が、私立の十三倍多い。
・高等学校数……国公立が、私立の三倍多い。
・大学・短大・高等専門学校数……私立が、国公立の三倍多い。
この数字は、毎年それほど変わりません。小学校から高校まで公立学校が多いというのは、義務教育とそれに伴う高等教育という意味で、この部分が国や地方公共団体の責務となっていることがよくわかります。
また、小学校では九十倍あった差が高校では三倍まで縮小しますが、これは一校あたりの規模のちがいだと推定できます。
幼稚園から大学まで、数が多いほうに通った場合、その人の就学経験は、「幼稚園私立、小学校公立、中学校公立、高校公立、大学私立」という感じになりますね。
これを仮に、学歴ならぬ学校歴から見た「公立派」としてみます。公立教育にどっぷりつかった人たちですね。これは、学校歴の多数派を指すことになります。