俳句・短歌 句集 2021.06.24 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第16回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 吹き降りの一夜明けたる案山子たち 下草の風はきまぐれ赤とんぼ いつしんに風を集めて鳥おどし
小説 『差出人は知れず』 【第8回】 黒瀬 裕貴 免許返納を拒んだ老人がブレーキを踏み間違え、車は妻に突っ込んでいった…事故後、夫は「加害者家族を妻と同じ目に遭わせたい」 【前回記事を読む】「母さん。死んじゃ駄目だ。俺、まだなんにも親孝行出来てないんだよ。」中学生の男の子は嗚咽しながらも話しかけることをやめない「俺たちが何をしたっていうんだろうな」亡霊のように佇む東は両の拳を強く握る。爪が皮膚を食い破り、血が滴るのではないかと思うほど強く。「こんな……こんな目に遭わなければならないことを涼子がしたっていうのか。生きていれば無意識に人を傷つけることだってあるだろう。…
小説 『霧は、アンダンテで流れ行く』 【第5回】 余語 眞二 深い雪山を進み行方不明になった青年の体は、春になって雪解けのあと見つかった。体の近くに残されていたのは… 【前回記事を読む】「かあさんはね、日本が戦争に負けてよかったと思ってるの。」満月を眺めながら、母は静かにつぶやき、言葉を続けた。綺麗な桜並木が続く、小学生のひろしは川の土手をあるいていた。満開のさくらの土手の道なのに、あまり人が集まっていないのは、ひろしにとってありがたいことだ。まあこの時期、この程度の桜は、それほど珍しくないのだろう。春風は遠くの青い山脈から穏やかな風が黄色い菜の花畑と緑の麦畑…