俳句・短歌 句集 2021.06.24 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第16回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 吹き降りの一夜明けたる案山子たち 下草の風はきまぐれ赤とんぼ いつしんに風を集めて鳥おどし
エッセイ 『振り子の指す方へ[人気連載ピックアップ]』 【第17回】 山口 ゆり子 妻の姉をソファーに連れて行き、そこにそっと横たえた。彼女は泣き続けながらも、それに抵抗することはなかった 【前回記事を読む】気が付けば、妻の姉に抱き着き声をあげて泣いていた。…妻が流産し幼児退行して2年。こみあげてくるものを耐えられなかったんだ静かに抱きしめ返してくる亜希子の背中をさすりながら、春彦は郁子とよく似た亜希子の温かさが二年の間にうらぶれた心をほぐしていくのを感じていた。あの日、同じように郁子を抱きしめられていたのなら、という思いと、もはや悲しみを共にする同士である亜希子が、どうしても春彦…
小説 『虹色の魂』 【第8回】 青居 蒼空 警察官の春くんが家に来て、母の仏壇に手を合わせた。扉の隙間に耳を澄ますと、「お前に聞きたいことがある」と父が… 【前回の記事を読む】「僕、おねしょしないし、お父さんの言うことも聞くから、お願いだから一緒にいてね」大粒の涙が僕の目から湧き出ると…父が十歳の時に祖父が他界し、ふくちゃんは喫茶店を経営しながら父を育てた。その父が高校を卒業して調理師の資格を取ると、ふくちゃんは喫茶店を任せ旅行するようになった。最初は国内旅行で満足していたが、突然海外にも一人で行くようになった。母の事件があった日も、イギリスから帰…