バイト
二日連続で、私は考えられないほど眠った。先日は起きていた時間が六時間しかない。夕方の十七時に起きて、夜の二十三時には寝て、起きたのは朝の十一時。その前の日は仕事から二十三時に帰って来て夜中の零時に寝て、起きたのが翌日の夕方十七時である。十七時間眠り続けていたことになる。
これはどう考えても異常だ。眠気を覚ますためにコーヒーを三杯飲み、空腹に耐えられなくなったのでご飯の上に目玉焼きとソーセージを乗せて食べた。そして起きてからずっとインターネットで求人広告を見ていた。一番手っ取り早いのに、「不燃ごみ収集車ドライバー」というのがあった。
最寄駅は国分寺駅。時給千二百円。八時~十七時。土日休み。悪くない。しかし、応募はせず保留にした。ずっと気になっていた横田基地の求人情報にはこう書かれてあった。
「今から十五年前から以後約十年の間に、戦後から働いてきたおよそ二千人の日本人従業員のほとんどが退職し、新しい二十代、三十代の人と入れ替わりました。その時点では大変な数の求人がありましたが、現在は退職する人が少ないため求人がなかなか出ないという状況にあります」
しかしよく見てみると、これは二〇〇三年の四月の情報である。現在ハローワークに登録されている求人情報は三件あったが、いずれも私が持っている資格では通用しない仕事ばかりだった。CADやフォークリフト、と書かれてある。福生までは国分寺から電車で一時間かからない。通勤圏内ではある。非常に遠いイメージがあるが十分通える距離ではある。
いずれにしても私は、今月はまだ競艇場の仕事があるし、もう少し時間を置いてじっくりと探してみることにした。私の場合、特に何がしたいということはないのだが、これだけは嫌だというのはある。まず、ビジネススーツを着て出勤するような仕事。営業職のような名刺を配る仕事。つまり、ビジネスマンになりたくないのだ。
ビジネスとはかけ離れたところで働きたいという気持ちが強い。ドライブのような感覚で、ジョギングのような感覚で、散歩のような感覚で、お出掛けするような感覚で出勤し、適度に汗を流し、あまり頭を使わず、時間が来たら帰る。
売上だの、ノルマだの、そういったものに追われることなく、プレッシャーを感じることなく、時間から時間まで元気に笑顔で爽やかに働いて、ストレスの溜まらない仕事。それが理想。そして執筆をする。