俳句・短歌 短歌 自由律 2021.05.08 句集「愛のままで咲く」より三句 愛のままで咲く 【第41回】 馬場 美那子 “こぼれる愛 からめた指の すき間から” 十七音に込められた、愛と感謝の川柳句集 母へ、恋しい君へ、愛犬へ、かけがえのない日常へ。やさしく、時に激しい愛の詩。 5章からなる川柳句集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 あの人を奪おう夜叉になってさあ もがいても叶わぬ恋の蟻地獄 待つという忍耐愛の深さかな
小説 『毎度、天国飯店です』 【第6回】 竹村 和貢 サークル勧誘チラシの前で、『徒然草』を抱えた美人と出会った…。 天国飯店の定休日は毎週火曜日。アルバイト生四人で、月曜から土曜の間の五営業日を分担する。四人のうち誰か一人が二営業日に入る。その者以外の三人のうちの一人が日曜日に店に入る。日曜日は大学が休みなので、朝の十時から閉店の午後九時まで十一時間店に入ることになる。「ほな、俺、明日もバイトやさかい、おっちゃんに自分のこと話してみるわ。多分、おっちゃんも構へん言わはる思うねんけど」夏生は、「できない」とは思…
小説 『雲海のエガミ』 【第16回】 こた 広大な雲海の海に大小様々な島々が浮かぶ「エガミ」中でも大きな島の三国は争っていて… カイユはドキッとして直ぐに手を引っ込めると、男は顔を隠したまま話し始めた。「俺の名前はムスク。エガミから来た」男がそうボソッと言った。カイユはそれを聞いた自分が驚いていなく、不思議に感じた。そしてムスクは呟くように続けた。「今は、雲海のエガミの小説を書いた作者の家に向かっている」カイユは、色々聞きたくて頭の中が混乱した。「あなたがムスク。じゃーあの時、本を盗んだ猫? 教会にも現れた?」ムスクはコ…