有り難や入れ歯で食し眼鏡掛け 自転車に乗って街中走る
近づいて我を突々ける奈良の鹿 人懐こさが何と愛らし
雨上がり青空の中常磐にと 合掌造りに架かる虹哉
50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。
そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。
たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。
6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。
有り難や入れ歯で食し眼鏡掛け 自転車に乗って街中走る
近づいて我を突々ける奈良の鹿 人懐こさが何と愛らし
雨上がり青空の中常磐にと 合掌造りに架かる虹哉