スタイル・社風(Style)

「取引コスト」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

例えば、上司を説得したりするのに費やしたりする時間やリソースのことを指す。上司がありとあらゆることを理解できているということがまずありえない。だから上司への説明に時間を使う。その上司は更にその上司に挙げるかどうか悩む。

「確かに良いアイデアなんだけど、予算取れるかなぁ」とか、まず「自分が細かく質問されたときにちゃんと説明できないから、もうちょっと説明してもらおう」ということで別途時間を取る。

そこで、「こんなスライド入れたらどうかな?」と、あたかも良いアイデアのように助言してしまう。

そしてその助言のようなものを指示・命令と受け止めた人が更に時間を使う。何度かそんなことを繰り返していくと、だんだん面倒になってしまう。

いいアイデアを出すことよりも、目の前の仕事や自分の守備範囲と言われていることだけに集中した方が楽だと思わせてしまったら、お互いに最悪だと思う。組織としては悪いリソースの使い方になる。

最初は正義感・社会的使命に燃えていた人材も、そんなことを何度も経験すると、組織化されてしまう。これはどこの組織にもあることなのだと思う。人間が役割を担っている以上、なくすことは不可能だと思う。