俳句・短歌 四季 2021.04.22 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第18回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 緑葉りよくようの茂る木立に不如帰ほととぎす 連続に鳴く声を聞く朝 繁茂樹はんもじゆに桃源郷の思いする 楽園都市の無錫の市街 一雨ひとあめの湿った土に浮かぶ草 木きの葉も萌えてシャッキリと立つ
小説 『差出人は知れず』 【第8回】 黒瀬 裕貴 免許返納を拒んだ老人がブレーキを踏み間違え、車は妻に突っ込んでいった…事故後、夫は「加害者家族を妻と同じ目に遭わせたい」 【前回記事を読む】「母さん。死んじゃ駄目だ。俺、まだなんにも親孝行出来てないんだよ。」中学生の男の子は嗚咽しながらも話しかけることをやめない「俺たちが何をしたっていうんだろうな」亡霊のように佇む東は両の拳を強く握る。爪が皮膚を食い破り、血が滴るのではないかと思うほど強く。「こんな……こんな目に遭わなければならないことを涼子がしたっていうのか。生きていれば無意識に人を傷つけることだってあるだろう。…
小説 『小窓の王[注目連載ピックアップ]』 【第12回】 原 岳 【厳冬期 劔岳・小窓尾根】「生きた心地がしませんでしたよ。」―いつ崩れるか分からないルンゼの雪壁で… 【前回の記事を読む】【小窓尾根】入山初日。一気に1,400m付近まで上がることになり、雪壁を登っていると…突然身体が傾き「うわ、はまった!」川田は全身をじたばたともがき、何とか腕を突っ張って雪中にはまった胴体と足を引き抜いた。そして、数歩下がってから自分の胴体が突き抜いた穴を眺めた。穴の先には、大人が一人すっぽりとはまりそうな空洞が広がっていた。空洞の底には雪の下の土と草木が微かに見えていた。「…