この辺りは良く車で通るので何となく分かっていた。きっとこの先に公園が有るはずだ。僕はどんどん歩いて行った。すると暑くなってきたのでジャンパーを脱ぎ捨てた。
公園の曲がり角だ。ちゃんと覚えている。この角を曲がり、坂を下って行けば公園があるはずだ。辺りはまだ少し明るい。
フィールドアスレチックの近くにブランコがある。いつもは子供で一杯であるが、今は誰も居ない。思う存分ブランコに乗った。
ブランコを降りた時には、周りはもう真っ暗になっていた。僕はブランコを降りて明るい方へ歩いて行った。そこは池の端らしい。そこで僕は体を動かしていると、何処からかおばさんがやって来て僕に色々、話しかけてきた。
「僕は何処から来たの。名前は何?」
僕は「うー、うー」としか喋れない。
おばさんは何か非常に困った顔をして何処かへ行ってしまった。
しばらくすると、お巡りさんがやって来て、僕に色々話しかけたがやはり僕が「うー、うー」としか言わないので途方に暮れていた。程なく、お巡りさんは僕の手をとりパトカーに乗せた。
僕は警察署に連れて行かれ、ソファーの所に座らされた。何がなんだか分からないので、とっても不安になりメソメソしてしまった。すると、お巡りさんはお菓子を持って来てくれた。お腹がペコペコの僕は嬉しかったので、にこにこしながら食べた。
僕がお菓子を食べているとお母さんがやってきた。なんかお母さんは泣きながらお巡りさんにペコペコしている。
そして、お母さんは何か書いた後、僕を連れて警察署を後にした。