〈ショーの証言〉
私は炬燵の中でニコニコしているショーに話かける。
「ショー君、君は一体何を考えているの? どうやって、あの公園まで行ったの?」
私がショーの瞳を見ていうと、ショーも真似して私の瞳を覗き見る。その顔は純粋無垢で、天使というものがいたらこういう子のことなのだろうとつくづく思う。
ショーに語りかけているうちに、いつしか私はショーになっていた。
『僕はショー。いつもお母さん、お父さんと買い物などに行く時は一人で遊びたくて、勝手に面白そうな所に行こうとして走り出す。いつもは、すぐに追いつかれ抱きかかえられて、連れ戻されてしまう。
しかし、この時は違った。お母さんといつものように図書館に来ていて、お母さんが本に夢中になり僕の手を離した。僕はやったと思い、すぐお母さんから離れた。いつもだったらトイレで水を流して遊ぶのだけど、この時は何故か、図書館の外に出た。外に出たらなんか気持ちが良くなり「ひーひー」言いながら歩いていると、人が数人止まっていた。僕もその止まっている人の真似をして止まった。暫くすると一斉に歩きだしたので僕も歩き出した。