序章 ある夢

寒い冬の夕暮れ時。何故かショーを連れていつもの公園に散歩にでかける。

いつもであったら、こんな夕暮れに散歩に行くことはない。ショーは私の手をしっかり握りしめ、楽しそうに歩いている。

しかし、突然ショーは私の手を振り払い走りだす。ショーは小さいくせに結構足が早い。

私は焦って後を追い掛けるが、なかなかショーに追いつくことはできない。ショーは二十メートル位先の道路の角を左の方角に曲がる。

私はやっとショーが曲がった角まで辿り着く。そして、ショーが走り去った方角を見回しショーの姿を探す。

だが、ショーの姿は何処にも見えない。影も形もない。私はその先にある公園まで走って行き、いつもショーが楽しそうに遊んでいたブランコの近くまで来た。

しかし、辺りを見回してもショーの姿は見つけられない。ブランコは小さく風に揺れているだけだった。私は焦って「ショー! ショー!」と大声で叫ぶ。