急ぎ足でドアの前まで迎えに行くと、妻と妻の少し後ろにショーが居た。
ショーの顔をまじまじ見ると、ショーはバツの悪そうな顔をして
「僕は何も悪いことをしていないぞ!」と、言っているようであった。
一月の下旬、午後三時過ぎ、妻と図書館に来ていた息子、ショーが、妻がちょっと目を離した隙に、居なくなってしまった。
妻は図書館職員にも協力して貰い館内を捜索したがどうしても見つからなかった。やむなく警察に「捜索願」を出した。
妻はすぐ夫の会社に電話し、応援を依頼する。夫は直ちに会社から帰宅し自転車でショーを捜索し始める。
九時半頃、近くの主婦Yさんが、ある用事のため友達の家へ行く。帰りが遅くなってしまったため近道としてこの公園を通ることにした。公園を歩いている途中、こんなに遅くまで一人で遊んでいる子供を発見した。不審に思い子供に声を掛けたが言葉が通じない。急ぎ警察に連絡する。警察では捜査願いが出ている子供と服装などが似ているので直ちにこの公園に急行し保護する。
同時に警察はすぐに家に連絡し、「捜索願」を出されていた子か確認した。妻は直感的にショーだと思ったという。妻は警察に急行する。
妻が警察署についた時、ショーは美味しそうにお菓子を食べていたとのことだ。警察にもお菓子はあるのだと妙な感心をしてしまった。