やさしげな屋台の人より紫陽花のハンカチを買う 不動尊が好き
夕暮れの鐘を合図に歌い出す山肌覆うあじさいの花
明王に叱られひとり辿る径紫陽花しきりに頭を揺らす
※本記事は、2015年3月刊行の書籍『歌集 祈り』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。
歌集 祈り【第21回】
―ああだから月はみんなに愛されるんだ自分ひとりを見てる気がする―
夜明けに人知れずそっと咲く花のように、
それでいいんだよ、と許してくれるような、
自分のかわりに、幸せを願ってくれるような。
心に灯りをともす、優しくあたたかな短歌を連載にてお届けします。
やさしげな屋台の人より紫陽花のハンカチを買う 不動尊が好き
夕暮れの鐘を合図に歌い出す山肌覆うあじさいの花
明王に叱られひとり辿る径紫陽花しきりに頭を揺らす